「絵で旅する国境」 海や山にも国の境目

 
文研出版 2750円

 「国境(こっきょう)」とは、国と国の境目(さかいめ)、境界のことを指しますが、皆(みな)さんが思い浮(う)かべる国境とは、どんなものでしょう。島国である日本に住む私(わたし)たちには、国境というものがイメージしにくいかもしれませんが、陸地に隣接(りんせつ)する国がなくても、海底や空の上にも国境は存在(そんざい)します。

 世界で一番高いヒマラヤ山脈(さんみゃく)は、五つの国にまたがって国境線があることを知っていますか?

 探検(たんけん)家や商人、宗教(しゅうきょう)家や医師、欲(よく)深い侵略者(しんりゃくしゃ)、自由や学びや仕事を求める難民(なんみん)など、人々ははるか昔から目的の地を目指し、国境を越えてきました。

 この本は、リュックサック一つで2年間かけて世界を旅した作家が、友人の画家と6年もの歳月(さいげつ)をかけ、丁寧(ていねい)にそしてさまざまな角度から世界中の国境を描いた韓国(かんこく)発の絵本です。私たちが、200以上の国々とともに一つの地球の上で国境を越えてつながり、さまざまな環境(かんきょう)の下で暮(く)らしていることを想像(そうぞう)しながら、親子で読んでほしいお薦(すす)めの一冊(いっさつ)です。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています