「世界の子どもたちへ 元気?」 紛争地・辺境、強く生きる姿

 
朝日新聞出版 3300円

 この本は2021年から2023年に朝日小学生新聞での連載(れんさい)「長倉洋海(ながくらひろみ) ぼくが出会った世界の子どもたち」を再編集(さいへんしゅう)した写真集です。40年以上にわたって世界中の国や地域(ちいき)を訪(おとず)れ、紛争(ふんそう)地帯や辺境(へんきょう)の地で生きる人々を写し出しています。

 どこの国でも「やあ、元気? 写真撮(と)っていい?」と現地(げんち)の言葉で声をかけると、最初に打(う)ち解(と)けてくれるのが子どもたちです。市場(いちば)の露店(ろてん)で働く子、高山の寒さで洟(はな)を垂(た)らす子、父との別れの悲しみを踊(おど)って癒(い)やす子など。決して恵(めぐ)まれているとはいえない環境(かんきょう)の中で、どの子も希望に満ちた輝(かがや)く眼(め)を持っています。

 写真家として一番大切にしている「目の前のチャンスを逃(のが)さない」ことが、生き生きとした子どもの姿(すがた)を捉(とら)える秘訣(ひけつ)かもしれません。

 既刊(きかん)の写真絵本で出会った、懐(なつ)かしい少年や少女との再会(さいかい)というサプライズも...遠い国の子どもたちの力強い姿を、ぜひ親子でみてほしい一冊(いっさつ)です。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています