「宿場町の一日」 江戸時代の旅、丸わかり

 
いわた慎二郎 作・絵 宿場町の一日 講談社 1650円

 江戸(えど)時代、大名の参勤(さんきん)交代が始まると主要な街道が整備(せいび)され、商人の往来(おうらい)、お伊勢(いせ)参りなどの寺社仏閣(じしゃぶっかく)巡(めぐ)りと多くの人々が旅をするようになりました。馬や駕籠(かご)はあっても基本(きほん)は歩き旅。1日30~40キロも歩いていた江戸時代の人も日が暮(く)れる前には宿場町に到着(とうちゃく)し、宿で旅の疲(つか)れをとっていました。

 この絵本は、とある宿場町の4人家族が経営(けいえい)する1泊(ぱく)2食付きの小さな旅籠(はたご)が舞台(ぶたい)。朝4時起きの朝食の支度(したく)に始まり、お客さんの見送り、布団(ふとん)を干(ほ)し掃除(そうじ)して、また新しいお客さんを迎(むか)えて...。宿の忙(いそが)しい一日の様子に加え、宿の種類、宿の台所、お風呂(ふろ)などの設備(せつび)、旅の服装(ふくそう)や持ち物、当時の物の値段(ねだん)など盛(も)りだくさんな江戸時代旅情報(じょうほう)を絵と共に説明してくれる、楽しい知識(ちしき)絵本です。既刊(きかん)の「ロケット発(はっ)射(しゃ)場(じょう)の」「博物館の」「野球場の」に続く「一日」シリーズの4作目。


 ところで旅籠1泊のお値段、いくらだと思いますか?答えは「宿場町の一日」で...。(畑)

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています