【TRY・ブライダルスタッフ(上)】甘くない...花嫁衣裳選び

 
華やかなウエディングドレスが並ぶサロンで寺内さんから話を聞く記者(右)

 幸せの瞬間に立ち会い、最高の思い出づくりを手伝う。中学生の頃になりたかった職業の一つがウエディングプランナー。その夢がかなうことになった。躍る気持ちを抑えつつ、いわき市のスパリゾートハワイアンズにあるブライダルサロン「ウェリナ」に向かった。(いわき支社・根本藍子)

 向かっている途中でもわくわくが止まらない。到着すると、入り口に飾られたかわいい小物にも反応してしまう。色とりどりのドレスが並ぶ夢のような空間で指導してくれるのが寺内桃子さん(32)。

 結婚式は数少ない人生の晴れ舞台。絶対に失敗が許されない。スタッフの仕事は責任が重い。「お客さんが発した一語一句、聞き逃さない努力が欠かせません」。寺内さんの言葉で一気に緊張が高まった。

 スタッフの一人であるプランナーは、結婚式の提案や手配、当日のアテンドなど結婚式を総合的にプロデュースする仕事だが、新郎新婦が相手。基本は「気を使わせないこと」という。式を挙げたいカップルの不安を減らすことが何よりも大事な心構えだ。やりとりを重ねて迎える本番は、いつも最高のやりがいだという。

 トライさせてもらうのは、未婚、既婚を問わずに女性がウエディングドレス姿を撮影し、記念に残すことができる体験プラン「マウロアウエディング」を手掛けること。9月から始まったプランで、新型コロナウイルス感染症による緊張感をほぐしてもらうための企画だ。

 自分の力で女性を美しくするのが今回の役目。チャレンジャー精神を突き動かされた。「いらっしゃいませ」とのあいさつから始まり、いよいよウエディングドレスの提案だ。おしゃれに関心があるし、コーディネートは得意だ。「楽しそう」と浮かれ気分で取り組もうとしていたが、現実は甘くなかった。

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 マウロアウエディング 好きなウエディングドレスを約300種類以上の中から選んで着用し、南国の雰囲気の中で撮影する。プロのメーク付き。マウロアはハワイ語で「永遠」を意味し、心躍る瞬間を永遠に残してほしいとの思いを込めた。スパリゾートハワイアンズ55周年に合わせて企画した。