【フラガール(上)】シンプルな振りなのに 手、腰、足、同時は難しい

 
ラウレア美咲さん(右)に曲中のポーズを教わる記者

 いわき市を代表する観光スポット「スパリゾートハワイアンズ」の代名詞といえば、ステージに立って来場者に笑顔と元気を届ける「スパリゾートハワイアンズ・ダンシングチーム」(通称・フラガール)。フラガールは、ふるさとの誇りであり「フラシティいわき」を掲げる市のシンボルとして愛されている存在だ。(いわき支社・根本藍子)

 「フラガールになって、ステージに立ってみない?」。同施設担当者から唐突に声をかけられ、開口一番に「無理です」と答えてしまった。運動音痴でダンス未経験、人生の中でリズムに乗ったことなどない。しかし、こんな貴重な経験は二度と訪れることはない。「よし、やってみよう」。挑戦を受けることに決めた。

 不安はあるが、子どもの頃から何度も施設を訪れ、ショーを見ている。滑らかに腰を動かし、美しく手を動かす。イメージトレーニングはばっちり。憧れのステージに向けて、気持ちが高まってきた。

 施設に着くと、輝くような笑顔で迎えてくれたフラガールたち。キャプテンのラウレア美咲さん、ソロダンサーのウアケア佳奈子さん、阿部真菜美さん、猪塚由妃さんの4人が講師役を務めてくれた。着替えをして屈伸や腕回しなど軽めの準備体操後、フラに欠かせない基本ステップを教わる。左右に2歩ずつ動く「カホロ」、左右に1歩ずつ動く「カオ」、足先を前に出す「ヘラ」。シンプルな動きに一安心。「これならできる」。手応えをつかんだ。

 次は曲に合わせて踊る振り付けの練習が待っていた。「課題曲は『Lovely Hula Hands(ラブリーフラハンズ)』です」と佳奈子さん。曲名は「かわいいフラの手」という意味で、フラを踊る手の動きを表現した歌が流れる。緩やかな曲調で、初心者向けという。

 先に習った基本ステップに合わせて腰を動かし、詩を表現する手の動き「ハンドモーション」を覚える。次々と襲いかかるステップや、腰、手の異なる動きがリズム音痴の記者を徐々に混乱させていく。慣れない動きのせいなのか、高まる緊張のせいなのか、額に汗がにじむ。「大丈夫かな」。頭の中に不安な気持ちが芽生えた。

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 フラガール フラダンスは、ハワイで生まれた伝統的な民俗舞踊の一つ。1966(昭和41)年、いわき市常磐藤原町に設立したハワイをイメージした日本初のリゾート施設「常磐ハワイアンセンター」の目玉として「フラガール」が誕生した。90年のオープン25周年を機に「スパリゾートハワイアンズ」へ改称した。問い合わせは同館(電話0570・550・550)へ。

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