【フラガール(中)】「思い切って」濃いめメーク 跳ね上げアイライン

 
レイイリマ万由子さん(左)にメークを教わる記者

 与えられた課題曲は3分30秒ほど、歌詞に出てくる鳥や雨、波などを手で表現する「ハンドモーション」は10種類以上だ。さらに美しく見せるため、指先をそろえ、頭と肩の位置を変えずに膝を曲げて腰を滑らかに動かす。動き一つ取っても、美しく見せる隠れた努力を感じる。(いわき支社・根本藍子)

 「ここまでは大丈夫ですか?」。練習の最終盤、講師を務めるソロダンサーのレイイリマ万由子さんと箕川葉月さんが気遣ってくれた。胸を張って「大丈夫」と言えず、言葉に詰まる。不安しか残っていなかった。それでも「フラは、言葉がなくても心を通わせ合える踊り」という万由子さんの言葉が、言葉でコミュニケーションを取る仕事をしている記者の心に響く。少しでもフラガールの思いに近づきたい。折れかけた心を奮い立たせて自主練習を重ね、いよいよ憧れの舞台に立つ日が訪れた。

 高鳴る胸を押さえ、スパリゾートハワイアンズへ。フラガールといえば、華やかなメークに映える笑顔が印象的だ。万由子さんとサブキャプテンの笛木花菜美さんにフラガールメークを教えてもらう。

 メーク道具は一般的な女性が使うものと大きな差はない。メークのポイントは、ステージ上で映えるように濃いめにすること。アイシャドーは、薄い色から濃いめの色へアーモンド形に乗せていく。漆黒のアイライナーで二重幅くらいに引き、跳ね上げる。濃いめの目元に釣り合うよう、眉毛を太く描くことも重要だ。フラガールはそれぞれ出社後、30分ほどでメークを完成させる。

 記者も挑戦してみるが、普段よりも濃いメークに思わず手が止まる。「思い切って大丈夫です」と2人に声をかけられながら施していく。フラガール誕生の当初からメークのポイントは常磐音楽舞踊学院などで後輩へと引き継がれ、各自アイシャドーの色などで個性を引き立たせている。

 今回のメークは、基本のポイントを抑えつつ、束感のある付けまつげを乗せて完成だ。衣装に着替え、花輪「レイ」を首にかければ格好だけはフラガール。あとはミスのない美しいフラを目標に、いざ舞台へ。

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 常磐音楽舞踊学院 スパリゾートハワイアンズダンシングチーム(通称・フラガール)を養成する専門の学校として、1965(昭和40)年に設立した。以来約50年にわたって、400人ほどのフラガールを送り出してきた。新人フラガールは入学後2年間、舞台に出演しながらフラダンス以外にハワイ語やウクレレ演奏、ビジネス教育などの教養を学ぶ。今年の新人フラガールは、第58期生となる。

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