輝いた努力と挑戦 北京冬季五輪、福島県ゆかりの選手総括
新型コロナウイルス禍で行われる初の冬季五輪となった北京五輪。20日に幕を閉じる大会では、本県ゆかりの選手たちもまばゆい光を放った。
「4年間の挑戦は長かった。そういう重みがある」。スノーボード男子ハーフパイプの平野歩夢(TOKIOインカラミ)は、3度目の正直で手にした金メダルを誇らしげに掲げた。昨夏の東京五輪でスケートボードに挑み、わずか半年後の快挙だった。
最終滑走者として登場した決勝2回目。斜め軸に縦3回転、横4回転の大技「トリプルコーク1440」を含む全ての技に成功したが2位。採点への疑問や怒りを力に変えた3回目はさらに完成度を高め、最高得点を出した。「納得いく滑りを全て出し切れた」と勝負強さと精神力の成長を結果につなげた。
8年ぶり2度目出場となったフリースタイルスキー女子モーグルの星野純子(リステル、猪苗代町)は、予選6位で初めて決勝の舞台に立った。決勝は1回目の滑走で13位。上位12人が進む2回目に、わずか0.41ポイント及ばなかった。出場選手最年長の32歳。五輪出場にはかつての仲間からも激励が届き「元気をもらった」という。決勝後は、今季限りで第一線を退く考えも表明した。
スノーボード女子スロープスタイル・ビッグエアには岩渕麗楽(れいら)(バートン)と鬼塚雅(星野リゾート)が出場した。
岩渕はスロープスタイル5位、ビッグエア4位といずれも好成績を収めたが表彰台には一歩及ばなかった。ビッグエアは逆転の表彰台を懸け、最後の試技で斜め軸に縦3回転する大技に挑んだが、わずかに着地が乱れた。「メダルを取って恩返しをしたかった」と涙で競技を終えたが、海外選手からは挑戦をたたえる賛辞が贈られた。
鬼塚はスロープスタイルで着地の乱れが続き予選落ち。ビッグエア決勝では、自身が女子では初めて実戦で成功させた斜め軸に縦2回転、横3回転半の「キャブダブルコーク1260」を武器にメダルを目指したが、着地を成功できなかった。それでも「全ての努力をして何も足りないところはないと思って挑んだ結果」と胸を張った。(折笠善昭)
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