勿来工ピンチに奮起 大村、直球で押す強気の投球

 
【安積黎明―勿来工】九回裏安積黎明二死一塁、最後の打者を打ち取ってガッツポーズする勿来工の大村=白河グリーンスタジアム

 ◇全国高校野球選手権福島大会・第3日(勿来工 2―1 安積黎明、10日・白河グリーンスタジアム2試合)

 渾身の106球目。勿来工の大村泰智(3年)は最後の打者を自慢の直球で一飛に仕留めると、両手でガッツポーズして喜びを表現した。「最高です。三振で締めたかったが、チームメートが守ってくれた。味方のおかげ」と仲間に感謝した。

 2点リードの最終回。試合前に捕手の水野旭(3年)と話した通り、直球を多投した。すると、粘る安積黎明打線につながれて無死一、三塁とされた。

 「やばい」と頭が真っ白になったが、内野陣から「びびるな」と励まされ、気合を入れ直した。併殺打に打ち取ってピンチを乗り切り、後続も断って試合を終わらせた。

 直球で押す強気の投球とは裏腹に、試合前のブルペンでは緊張で足が震えた。初回に死球を与えるなど制球が定まらなかったが、すぐに修正。二回以降は無四球で被安打はわずか3。バックの再三の好守備や激励の声に支えられ、相手に流れを渡さなかった。

 3年生にとって夏初勝利となった。「最後まで全力で、自分たちらしく元気に戦いたい」。次戦も攻めの姿勢で臨む。(南哲哉)

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