選手10人の原町、結束力の夏1勝 単独チームの危機...食らいつく
◇全国高校野球選手権福島大会・第4日(11日・いわきグリーンスタジアムほか8試合)
原 町 9―6 郡山東
高校野球に「原町」の名を残したい―。選手10人の思いが一つになった。リードを許す展開になっても泥くさく食らいつき、夏1勝をつかみ取った。
チームには1年生部員が一人もおらず、今後、単独チームとして大会に出場できるか、不安視されている。「少しでも勝ち進むことで、1年生が入部するきっかけにつなげたい」。2、3年生の部員は強い決意を胸に大会に臨んだ。
3―4で迎えた七回、高野快(2年)は右翼手を越える打球を放つと、50メートル6秒の快足を生かして三塁へ。好機を広げて同点のホームを踏んだ。続く八回は無死一、三塁で2点適時三塁打を放ちリードを広げた。
小学1年から野球を始め、中学では自信があった足を生かすため原町一中の特設陸上部に入部。中学3年で県中学校体育大会100メートルで優勝した実力者だ。「自分の活躍で3年生の引退が長くなってうれしい」と最高の笑顔を見せた。
優勝を目指すと同時に、野球部の活性化も目的とした大事な戦いが続く。「先輩のため、そして今後のチームのためにもっと上を目指す」と高野。俊足のリードオフマンが頂点に向かって走り続ける。(副島湧人)