【聖光学院13連覇・つかんだ頂点(上)】失策2...投手支えた堅守

全国高校野球選手権福島大会で13連覇を達成した聖光学院。下馬評は決して高くなかったが、夏を戦い抜くための勝負強さが光った。激闘を振り返るとともに、甲子園で勝ち進むための鍵を探る。
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「守備に長けたチーム」。8回まで毎回走者を許しながらも得点を許さなかった決勝が物語るように、堅守が16度目の頂点に導いた。全6試合で失点は4、失策はわずか2。初戦から3試合はコールド勝ち、準決勝の光南戦と決勝の日大東北戦は完封勝ちと盤石の勝ち上がりだった。「アイコンタクトをして、打者に合わせて自分たちで守備陣形を整えられる」。斎藤智也監督も鍛え上げた守備陣を高く評価する。
春の支部予選、県大会で2敗を喫し、懸念されていた投手陣。夏の初戦に先発した前田康孝(3年)や佐藤楓真(同)ら秋春の県大会で登板のなかった投手たちが好投し、他校に選手層の厚さを見せつけた。
だが、勝負所で存在感を示したのは、エースナンバーを背負う須藤翔(同)だった。昨夏の甲子園でもベンチ入りした左腕は、制球と緩急を武器に打たせて取る投球に徹し、3試合24回を投げて無失点。決勝でもコーナーを丁寧に突き、凡打の山を築いた。「この夏、1番成長したのは須藤。真のエースになった」と指揮官に言わしめた。
エースの投球術と、それを支えた堅守。失点を最小限にとどめられる自信は、全ての試合で先制し、全6試合で41得点を挙げた攻撃にも好影響をもたらした。「ようやく弱い自分たちを打破できた」。13連覇という重圧を背負い続けた主将の清水正義(同)はそう言って号泣した。春の2度の敗戦を乗り越えた聖光学院。ナインの持ち味ががっちりとかみ合い、頂点へと駆け上がった。
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