日大東北・奈須「打ち負けない」 5回適時打、速球対策に成果

劣勢のチームを勇気づける一打だった。4点を追う5回無死三塁、日大東北の奈須優翔(ゆうと)(2年)は内角高め142キロの直球を振り抜き、反撃の中越え適時三塁打。「真っすぐに打ち負けない自信があった」と全国レベルの投手を想定して取り組んできた「速球対策」の成果に胸を張った。
日大東北の各打者は大阪入り後、通常のマウンドより5メートルほど近い13メートルの距離からの打撃練習で速球に体を慣らしてきた。しかし、直球に想像以上の威力がある近江の右腕山田陽翔(はると)(2年)に対し、4回まで1安打。切れのあるスライダーの見極めも難しく、攻略の糸口をつかめなかった。
そんな中、得点の場面をつくったのは2人の左打者だった。5回は馬場央典(おうすけ)(3年)が右中間を深々と破る三塁打。奈須も三塁打で続き、近江を脅かした。
奈須は捕手としても4人の投手をリード。「近江は真っすぐに強い」と変化球を効果的に使う配球でタイミングを外し、二つの盗塁も刺して機動力を封じた。元々は遊撃手で昨秋に捕手に転向したばかりだが、守備でもチームをけん引した。
9回には2死一塁で打席に立ち、2番手で登板した近江のエース岩佐直哉(3年)に真っ向勝負を挑まれた。フルカウントから144キロの直球にバットが空を切り、三振を喫して最後の打者で凡退。「気持ちが弱かった」とうなだれた。
奈須は新チームでも中心選手として活躍が期待される。「このチームを超えられるようにしたい」。甲子園で味わった悔しさを無駄にはしない。
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