東京五輪・バド代表の福島県勢抱負 桃田、渡辺、東野

 
オンラインの記者会見で東京五輪の抱負を語る桃田賢斗(日本バドミントン協会提供)

 東京五輪の開幕まで9日で14日となった。バドミントンの日本代表は8日、オンラインで取材に応じた。男子シングルスで金メダルの期待がかかる桃田賢斗(NTT東日本、富岡高卒)は新型コロナウイルスの感染拡大など五輪を取り巻く厳しい状況にも「開幕まであと少しというところまで来た。ポジティブにやっていきたい」と前を向いた。

 髪色を明るくした日本のエースは「金メダルを意識して気持ちも明るくなれたら」と説明、「できることを一つ一つ精いっぱいやって、その先に金メダルがあればいい」と力を込めた。

 混合ダブルスの渡辺勇大、東野有紗(日本ユニシス、富岡高卒)は「バドミントンを通して勇気や笑顔を与える」と声をそろえた。男子ダブルスとの2種目制覇を目指す渡辺は「大会中止で難しい試合も増えるが相手も一緒。いい状態でコートに立てればチャンスがある」と語った。

 世界一の恩返しを

 8日にオンライン会見に臨んだ東京五輪バドミントン代表の桃田賢斗(NTT東日本、富岡高卒)、渡辺勇大、東野有紗(日本ユニシス、富岡高卒)。五輪本番を前に競技人生を振り返り、本県への感謝と五輪への決意を語った。

 桃田「自信持って」

 「前回出られなかった分、そこからサポートしてくれた方々に恩返しをするんだという気持ち」。金メダル候補に名前が挙がる男子シングルスの桃田は、さまざまな困難を乗り越えた歩みに思いをはせる。

 16年リオデジャネイロ五輪の出場を期待されながら違法賭博問題で約1年の大会出場停止処分。大会に出られない期間に、これまで怠っていた筋力トレーニングに真剣に取り組むなど心を改めた。日本代表復帰後は18年に日本人選手初の世界ランキング1位となり、19年には国際大会を11大会制覇した。だが、海外遠征中の交通事故での大けがや、新型コロナウイルスの感染などアクシデントにも見舞われた。

 この5年を振り返り、桃田は「本当に苦しいことがたくさんあった」と話し、そして「そこから逃げずにしっかり頑張ってくることができた分、大会で自信を持ってプレーができるんじゃないかと思う」と続けた。積み重ねた努力を確固たる自信に変え、世界のライバルたちに立ち向かう。

 渡辺「2種目狙う」、東野「金メダルを」

 「福島県の皆さん、お世話になった方に五輪で恩返しできるようにと2人で話している」。富岡一中時代に初めてペアを結成した渡辺と東野は、混合ダブルスで初の五輪に臨む。年の差1歳の2人は実業団で再びペアを組み、全日本総合選手権を4連覇するなど日本のトップをひた走る。2018年には100年以上の歴史を誇る全英オープンを日本勢として初制覇し、五輪ではメダル獲得が期待される。

 中学時代に東日本大震災を経験した2人は、復興五輪を掲げる今大会に特別な思いを持つ。「五輪で金メダルを取れるように、あと少しの練習を頑張りたい」と東野。男子ダブルスにも出場する渡辺は「2種目で世界一になりたくてバドミントンを続けてきた。次世代の選手にいろいろな可能性を見せられたら」と、"二刀流"の挑戦で新たな選手像を切り開く。

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