「田植踊」地域再生へ誓い 浪江・請戸、津波被害の神社で奉納

 
津波被害を受けた境内で奉納された田植踊。右後方は、震災遺構の請戸小=19日午前11時、浪江町請戸

 東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた浪江町請戸の苕野(くさの)神社で19日、豊漁などを祈願する「安波祭(あんばまつり)」が行われた。請戸芸能保存会が優美な「請戸の田植踊(たうえおどり)」を奉納し、集まった町民と共に今後の地域再生を誓った。

 安波祭は江戸時代から続く伝統行事で、震災と原発事故の影響で一時場所を変えて実施していたが、同町の帰還困難区域を除く地区の避難指示解除を受け、18年から同神社で復活した。ただ、津波で本殿が流失したため、仮の社の前で神事などを行ってきた。

 現在、仮の社の近くには新たな本殿の整備が進む。氏子総代長の五十嵐光雄さんは「来年の祭りは新たな社殿でできる」と語る。将来的には、震災前に行われていた樽神輿(たるみこし)の復活も目指していくという。