楢葉・岩沢海水浴場にサーフィン復活 8月20日、13年ぶり大会

 
「全国から多くの人が集う海に戻ってほしい」。13年ぶりの大会開催に向け、意気込みを語った吉田さん

 かつて多くのサーファーに愛された楢葉町の岩沢海水浴場で8月20日、サーフィンの大会「岩沢サーフィンゲームス」が開かれる。東日本大震災後は大会は開かれていなかったが、13年ぶりに復活する。海水浴場ににぎわいを取り戻そうと、関係者が準備を進めている。

 同海水浴場では南側に立地する広野火力発電所が海風を遮る。遠浅で入り組んだ湾の地形から生まれる波を求め、震災以前は多くのサーファーが訪れていた。昨夏、復旧工事を経て12年ぶりに海開きが行われた。

 大会を通じて自然に恵まれた同海水浴場の魅力を全国に発信しようと、震災以前から同海水浴場でサーフィンの大会「楢葉町長杯」を開いてきた双葉郡のサーファー仲間が中心となって大会を企画。大会ではボードの長さや競技歴、世代別などで分かれ、スピードやターンなど技の精度を競う。出場者の定員は170人。事務局によると、1日の募集開始から13日時点で既に県内外から100人超の応募があるという。事務局は今年の開催を手始めに、毎年の定期開催を目指す。将来的に2日間の開催で300人規模の参加者が集う大会にすることが目標だ。

 サーファー仲間の中では、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出が行われた場合、海水浴場のにぎわいが遠ざかることを懸念する声も上がっている。事務局実行委員の吉田健太郎さん(38)は「岩沢海水浴場の魅力を伝え、処理水放出に伴う風評を吹き飛ばす大会にしたい」と意気込んでいる。