双葉で13年ぶり盆踊り 町民有志の団体企画、帰還者や移住者ら集う
双葉町民有志でつくる任意団体「未来双葉会」は15日、JR双葉駅前広場で「双葉町盆踊り」を開いた。町内で盆踊りが行われたのは東京電力福島第1原発事故による全町避難を経て13年ぶり。会場には浴衣や法被姿の町民ら約300人が集まり、帰還者や新たに町民になった人々が、踊りを通じて一つの輪を描いた。
町内各地区では東日本大震災前まで毎夏、先祖を供養する行事として「町内路上流し盆踊り」や「農商楽市」などの盆踊りイベントが盛んだった。役場機能が避難したいわき市でも任意団体「夢ふたば人」が盆踊りを続けた経緯がある。
未来双葉会は町民や町内立地企業の社員らが4月に設立。昨年8月に駅周辺の特定復興再生拠点区域(復興拠点)で避難指示が解除され、住民の居住が再開したことから、交流人口の拡大や伝統文化の継承を目的に盆踊りを企画した。
会場では特設のやぐらを囲み、町内各地区の芸能保存会など7団体が競演。太鼓や笛の音色に合わせ、町民らが思い思いに踊り、駅前が活気に包まれた。
地元出身で未来双葉会会長の木幡昌也さん(37)は「震災前のようなにぎわいの創出、町民の交流促進につながればうれしい」と話した。
今春に水戸市から双葉町に単身移住して復興支援に取り組む田口隼人さん(42)は「盆踊りは初めてで踊り方も知らないが、ゼロからのまちづくりが進む双葉だからこそ、型に縛られず自由に踊った。最高に楽しい」と笑顔を見せた。
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