宮城沖で底引き網漁再開、相馬双葉漁協 震災後、他県沖操業は初

 
宮城県沖から戻り水揚げする稲荷丸=4日、相馬市・松川浦漁港

 相馬双葉漁協(相馬市)は4日、東日本大震災、東京電力福島第1原発事故後見送っていた宮城県沖での沖合底引き網漁を再開させた。初日は同漁協所属の沖合底引き網船(沖底船)4隻が宮城県沖で漁をした。沖底船を含む沿岸漁業に携わる本県の漁船が震災後、他県沖で操業するのは初めて。

 4隻は宮城県山元町の沖合などで漁を行い、正午ごろ相馬市の松川浦漁港に戻り、慌ただしく水揚げ作業を行った。このうち、伊東宏隆さん(44)が船頭を務める稲荷丸は午前1時半ごろ出港して北上。宮城県沖ではサバ、ミギガレイなどを漁獲した。

 伊東さんは「震災前はこれほどサバは網に入らなかった。海水温が変わったためだろうか」と環境の変化に驚く一方、「(宮城県沖での)操業再開は漁業復興に向けた大きな一歩だ」と話した。同漁協所属の沖底船は当面、4隻ずつ1週間に1回宮城県沖で漁を行う。