住民の絆再び...復興拠点の2神社修復 浪江・八龍神社と秋葉神社
福島県浪江町室原地区にある八龍神社と秋葉神社の修復竣功(しゅんこう)式典祭は15日、八龍神社で行われた。両神社は東日本大震災と老朽化の影響で社殿が傷んでいたが、東京電力福島第1原発事故に伴い県内外に離散した住民の絆を再び結ぶ場にしようと、室原行政区が修復を進めていた。神社には笛と太鼓の音色が響き、住民たちが神社の復活を祝った。
行政区によると、八龍神社は約700年前、秋葉神社は約280年前に建立された。正月の村祈祷(きとう)祭、秋の秋祭り、7年に1度の遷宮祭など、両神社は地域のつながりを保ってきた。
しかし、室原地区は原発事故で帰還困難区域となり、両神社は使われなくなった。今年3月に一部地域が特定復興再生拠点区域(復興拠点)として避難指示が解除されたのに合わせ、両神社を復活させた。
式典には宮城や茨城、岐阜各県など県内外の避難先から約60人が集まった。いずれも室原地区出身の吉田栄光町長、山本邦一副町長、笠井淳一町教育長らも駆け付けた。神事の後、室原郷土芸能保存会が神楽を奉納し、地域の再生を願った。行政区長の小沢晴久さん(73)は「先人が築いた神社を守っていきたい。県内外にいる室原の住民が集まるきっかけができた」と喜んだ。
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