「機能集積4エリア」整備推進へ 大熊、第3次復興計画を策定

 

 大熊町は15日、町の復興加速化に向けた第3次復興計画を策定した。町は重点的に整備を進めている大川原地区と下野上地区の二つの復興拠点に、新たに常磐道の大熊インターチェンジ(IC)周辺と国道6号周辺の二つのエリアを加え、計四つの「機能集積エリア」の整備を推進し、誰もが暮らしやすい町の形成を進めていく。

 15日に開かれた12月町議会の最終本会議で、計画案に関する議案が可決された。機能集積エリアは〈1〉大川原地区復興拠点〈2〉下野上地区復興拠点〈3〉大熊IC周辺エリア〈4〉国道6号周辺エリア。〈1〉は2019年4月に避難指示が解除され、町役場や教育施設、住宅、医療・福祉施設などの集約が進んだ。〈2〉は特定復興再生拠点区域(復興拠点)として昨年6月に避難指示が解除され、新たな「町の顔」として各種施設の整備が進む。

 〈3〉については町が大熊IC周辺に地域振興施設(道の駅など)と駐車場の一体的な整備を計画している。〈4〉は西大和久地区にスーパーなど民間の商業施設の誘致、パークゴルフ場の整備、福島国際研究教育機構(エフレイ)などから生み出される企業や研究施設を誘致する拠点として整備する方針。町は四つのエリアを結ぶ良好なアクセス確保に向け、町道の整備などで連携を強化する考えだ。

 このほか、坂下ダムに小水力発電施設を整備する計画や原・旭台地区に総合運動公園、熊川海岸周辺に復興公園の整備を検討する項目も盛り込んだ。

 復興計画は今後10年間で町が進むべき方向性を示す町の最上位計画。コンセプトは「想いと誇りでつくる大熊~くらし、つながるみんなのまち~」。暮らし・生活、つながり・交流、人づくり・未来に関する三つの理念、理念を達成するための施策として六つの柱を掲げた。計画期間は来年1月から約10年間。