「イワシ大王のゆめ」 魚たち不思議な夢占い

 
光村教育図書 1430円

 昔、東の海に3千年も生きているイワシ大王が住んでいました。ある日、大王は天高く飛び上がって落ちると雪が降(ふ)ってきて、なぜか暑くなったり寒くなったりする不思議な夢(ゆめ)を見ました。夢から覚(さ)めた大王は、家来のヒラメに、夢占(うらな)いが当たると評判(ひょうばん)の西の海に住むハゼを連れて来るよう命じます。

 ヒラメは、漁師(りょうし)の網(あみ)を逃(のが)れ、荒波(あらなみ)を越(こ)え、苦労を重ねて遠い西の海からハゼを連れて帰って来ました。ハゼが占うと、イワシ大王は龍(りゅう)になり、不思議な力を持つと言うのです。大王はとても喜(よろこ)びましたが、ヒラメには一言のお礼もありませんでした。怒(おこ)ったヒラメは「大王の夢は漁師に釣(つ)り上げられ、塩をふられ、焼きイワシになった夢だ」と言ってしまいました。すると...。

 ヒラメの目が片方に寄(よ)った理由、エビの腰(こし)が曲がったわけなど、楽しい魚たちの姿(すがた)が、色彩豊(しきさいゆた)かに描(えが)かれています。韓国(かんこく)の小学校の教科書にも紹介(しょうかい)されている昔話の絵本です。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています