「はりねずみともぐらのふうせんりょこう アリソン・アトリーのおはなし集」 風船ごと風に飛ばされ...

 
福音館書店 1210円

 田園の小道を散歩していたはりねずみともぐらは、色とりどりの風船を持ったまま、木陰(こかげ)でぐっすり寝(ね)ている女の人を見つけました。「ゆらゆらしているのは何?」。すっかり心を奪(うば)われてしまったはりねずみに、もぐらは風船を買ってあげることにします。女の人の手から2個(こ)の風船の糸をはずし、代金として2枚(まい)の金貨をそっと置きました。

 翌日(よくじつ)、風船と一緒(いっしょ)に散歩に出かけた2匹(ひき)は、いたずらな風に空中に吹(ふ)き上げられ、風船ごと飛んでいってしまいました...。

 作者のアリソン・アトリー(1884~1976年)は田舎(いなか)の暮(く)らしや自然を愛した人で、英国の田園にすむ小動物の物語を数多く残しました。このお話集には表題作のほか、「小さな人形の家」「のねずみとうさぎと小さな白いめんどり」が収(おさ)められています。のんびり暮らす動物たちに起きた出来事や冒険(ぼうけん)が生き生きと描(えが)かれ、モノクロの挿絵(さしえ)がお話を一層(いっそう)魅力的(みりょくてき)にしています。低学年から。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています