「シオンの花言葉」 おはなしSDGs パートナーシップで目標を達成しよう

 
講談社 1485円

 小学5年生の実花(みか)の家はコンビニを営(いとな)んでいる。ある日、アルバイトのベトナム人留学生(りゅうがくせい)ランさんが友人のクックさんを連れてきた。クックさんは何か問題を抱(かか)えているようだ。

 クックさんは、技能(ぎのう)実習生として縫製(ほうせい)工場で働いていたが、過酷(かこく)な労働が続き、体を壊(こわ)して逃(に)げてきたという。技能実習生は実習先を変えることができない。このまま日本にいると不法滞在(たいざい)になり、見つかれば強制的(きょうせいてき)に帰国させられてしまう。実花は初めて聞く現実(げんじつ)に驚(おどろ)く。いったいどうしたらいいの?

 実花は、入院したクックさんが以前好きだと言っていたシオンの花を花束にして、ランさんに託(たく)した。シオンは秋に咲(さ)くキク科の花。花言葉は「遠方にある人を思う」...。

 物語を通して持続可能(かのう)な開発目標(SDGs)をわかりやすく伝えるシリーズ。17番目は「パートナーシップで目標を達成しよう」。相手の立場に立ち、理解(りかい)し、協力し合うこと。私(わたし)たちもそこから始めてはどうだろうか。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています