「へそもち」 おへそを取るかみなり
高い空に浮(う)かぶ黒い雲に、かみなりが住んでいました。かみなりは火打ち石をたたいて稲妻(いなづま)をおこし、たいこをたたいて雨を降(ふ)らせます。雨のおかげでコメや野菜が元気に育つのですが、かみなりは時々雲から降(お)りてきては悪さをして、人々を困(こま)らせていました。
牛小屋に飛び降りて牛のおへそを取り、次の日にはおけ屋さんのおけをたくさん壊(こわ)しながら、おへそも取っていきました。また次の日には瀬戸物(せともの)屋さんがおへそを取られました。おへそを取られると、おなかに力が入らなくなり、仕事ができなくなってしまいます。そこでお寺の和尚(おしょう)さんは、かみなりを捕(つか)まえる策(さく)を考えました。
限定復刊(げんていふっかん)されたこの絵本は、「しょうぼうじどうしゃじぷた」の作者渡辺茂男(わたなべしげお)さんと、「スーホの白い馬」の絵本画家赤羽末吉(あかばすえきち)さんが作りました。民話のような素朴(そぼく)なお話に、力強く美しい絵がぴったりと合った楽しい作品で、ずっと読み継(つ)がれてほしい一冊(いっさつ)です。
※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています