「アーマのうそ」 小さなうそ、広がりピンチ

 
文渓堂 1760円

 お父さんの仕事の都合で転校してきたアーマには、まだ友達がいません。ある日、たくさんの兄弟がいて犬やハムスターを飼(か)っているジュディーに「あんたは何を持っているの?」と聞かれ「世界一大きな人形を持っている」とうそをついてしまいます。そのうわさはどんどん広がり、とうとう学校の大きなイベントに展示(てんじ)することになり...。

 何とか大きな人形を手に入れようとするアーマですが、大人を巻(ま)き込(こ)んだ紛失騒(ふんしつさわ)ぎや盗難(とうなん)騒ぎといった問題に発展(はってん)してしまいます。自分のついたうそのために奮闘(ふんとう)するアーマは、このピンチをどう切り抜(ぬ)けたでしょうか?

 一見恵(めぐ)まれていると思われる少女が、寂(さび)しさのあまりついた小さなうそ。誰(だれ)にでも少しだけ思い当たる経験(けいけん)を、ニューベリー賞(しょう)受賞作家が繊細(せんさい)につづっています。アーマの人柄(ひとがら)がよく表れている挿絵(さしえ)も愛らしい作品です。この春、アーマのハラハラドキドキを一緒(いっしょ)に体験しませんか? 中学年から。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています