「魔女だったかもしれないわたし」 自分らしく生きる大切さ

 
PHP研究所 1540円

 11歳(さい)のアディは、スコットランドの小さな村に、両親と双子(ふたご)の姉たちと暮(く)らしている。アディは自閉(じへい)的で人の表情(ひょうじょう)を読んだり、気持ちを理解(りかい)することが苦手だ。同じ傾向(けいこう)の姉のキーディは一番の理解(りかい)者で、なんでも話せる。

 ある日、アディは学校の授業(じゅぎょう)で、昔、この村でも魔女狩(まじょが)りで多くの女性(じょせい)が不当に処刑(しょけい)されたことを知り、慰霊碑(いれいひ)を作りたいと思った。村の委員会に提案(ていあん)して却下(きゃっか)されてしまうが、転校生のオードリーがアディの行動に共感し応援(おうえん)してくれる。

 人と違(ちが)うというだけで捕(つか)まり、魔女にされてしまった女性たち。もう二度と繰(く)り返してはならない。その時代に生きていたら、自分も魔女にされてしまったかもしれないという思いで、ますます慰霊碑のことが心を占(し)めていく。そんな時、事件(じけん)が...。

 生きにくさを感じながら、自分らしさを求め成長していく少女の物語。多様性の大切さが叫(さけ)ばれる現代(げんだい)、私(わたし)たちはどうすべきかいっしょに考えてみませんか。高学年から。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています