「じいちゃんの島は宝島」 無人島で夏キャンプ

 
フレーベル館 1430円

 ぼくは悠斗(ゆうと)、小学4年生。学校から帰ると「おかえり」とじいちゃんの声。定年退職(たいしょく)したじいちゃんが家にいて、交代するようにお母さんが保育園(ほいくえん)で働くようになった。何かにつけて「早くしなさい」と命令口調のお母さんと違(ちが)って、じいちゃんは優(やさ)しい。つい甘(あま)えて、なまけ癖(ぐせ)がついている最近のぼく。でもじいちゃんの昔話を聞くのは楽しい!

 じいちゃんの故郷(こきょう)は、東京から南へ約300キロの太平洋上、ミドリ子島。中学卒業の年、島の住民が話し合い、"全員移住(いじゅう)"で無人島になったんだって。「子島は宝島(たからじま)だ」と自慢(じまん)するじいちゃんに、「行きたい!」と言ったら、なんと夏休みに無人の子島で2人だけのキャンプをすることに...。さて宝島にはどんな宝物があるのかな?

 作者漆原智良(うるしばらともよし)さんは、日本初全員移住をした八丈(はちじょう)小島で先生をした経験(けいけん)から、この物語を書き上げました。残念なことに、最後の作品になってしまいました。中学年から。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています