「いつか空の下で さくら小ヒカリ新聞」 ニワトリの命、考えよう

 
汐文社 1650円

 小学4年生のあすかは、ある日養鶏場(ようけいじょう)でニワトリが殺処分(さつしょぶん)されるところを目撃(もくげき)し、大きな衝撃(しょうげき)を受ける。そして、偶然(ぐうぜん)生き残った1羽のニワトリを保護(ほご)したことから、ニワトリが置かれている過酷(かこく)な現実(げんじつ)を知ることになる。

 ニワトリたちは身動きもできない狭(せま)いケージに入れられ、体が弱り卵(たまご)を産めなくなると、利益(りえき)をもたらさないという理由で殺処分されているのだ。「ニワトリの命を乱暴(らんぼう)に扱(あつか)っていいのだろうか?」。あすかは思い切ってクラス会で一連の出来事を話すが、「そうは言っても、肉だって卵だって食べてしまうではないか」と、みんなの共感を得(え)ることはできなかった。そこであすかは得意(とくい)の"書く"ことで思いを伝えようと、動物福祉(ふくし)のことを調べ、ニワトリの飼育環境(しいくかんきょう)をよくするための考えをまとめた新聞を作るのだった...。

 本書からは強いメッセージが伝わってくる。さまざまな意見があると思うが、私(わたし)たちも共に考えてみてはどうだろうか。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています