「ピクルスとともだち」 友との日常、楽しい童話

 
福音館書店 1870円

 こぶたのピクルスは、小学生の男の子。両親とふたごの妹たちと暮(く)らしています。春休みのある日、近くに同じ年頃(としごろ)のこぶたが越(こ)してきたと聞き、会いに出かけます。そして、おばあさんの家に一人でやって来たジンブと会い、二人は友達になるのです。

 夏休み、虫とりに出かけた二人は、クラスのいばりんぼうブスケに会います。大きなスイカを育てていると自慢(じまん)するブスケに、ジンブは"スイカは、畑で聞いた悪口を全部しゃべるんだよ"と話します。驚(おどろ)いたブスケは、大あわてで家からスイカを持って海に向かうのでした。さて、その様子を見た二人は...。

 2015年に出版(しゅっぱん)された「こぶたのピクルス」シリーズの3作目。前作まで家族との関わりが中心だったピクルスが、友達との交流で成長していく様子を丁寧(ていねい)に描(えが)いています。

 くすくす笑ってしまうユーモアと、相手を思いやるやさしさにあふれた良質(りょうしつ)の幼年(ようねん)童話。短編(たんぺん)で挿絵(さしえ)も愛らしく低学年からおすすめです。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています