【TRY・オンライン飲み会】画面越しに乾杯!俳優・神尾さんと

 
神尾さんの「分かりますよ…」のせりふに大いに盛り上がった

 「そういえば最近、日本酒飲んでないなあ」。そう考えていた記者に「トライ」が舞い込んできた。会議、料理教室と続いた遠隔シリーズの第3弾は、新型コロナウイルスの感染拡大で急速に広まった「オンライン飲み会」。時期は全国新酒鑑評会で本県が全国で2番目に多い33点の入賞を果たしたばかり。福島中央テレビ(中テレ)の番組企画に参加し、その醍醐味(だいごみ)を味わった。(編成部・多勢ひかる)

 場所はミニドラマ「どうしても呑(の)みたい夜がある」の番組企画。飲み会の特別ゲストはいわき市生まれの俳優神尾佑さん(福島高卒)だ。規模は約80人。インターネット上で大規模宴会が催された。

 定刻を迎え、ついに乾杯。画面に合わせて勢いよくおちょこを掲げてみたが、のれんに腕押し。何だか寂しい。こんな調子で楽しく過ごせるのだろうか。しかし、そんな心配には及ばなかった。

 何よりお酒がおいしい。「お酒は各自で」とのこと。用意したのは、福島市唯一の酒蔵、金水晶酒造店の純米大吟醸「古関メロディー」。NHK連続テレビ小説「エール」にちなんで発売されたお酒。金水晶酒造店社長の斎藤美幸さんも参加している。笹の川酒造杜氏(とうじ)の山口敏子さんもいる。プロの日本酒解説でさらにうまさが増した。

 神尾さんのプライベート話に花が咲き、あっという間にほろ酔い気分になってしまった。うたげは進み、神尾さんへの悩み相談コーナーに突入。ミニドラマでお決まりの「分かりますよ...」というせりふを引き出そうと、参加者は大盛り上がり。猛アピールのかいあってか、質問できる選ばれし数人の中に、運良く記者も入ることができた。

 「最近自宅で過ごす時間が増えて、お酒を飲み過ぎちゃうんですが、どうしたらいいですか?」。直接話すときよりも、ゆっくり、はっきり話すことを意識した。すぐに神尾ボイスで「分かりますよ...」をいただき、この日一番の胸の高鳴りを記録した。

 会も終盤に差し掛かり、感想タイムに入った。「いろんな人と話せるのは画期的だよね」。神尾さんのハスキーボイスが響く。確かに。自分の好きなお酒を好きなペースで飲める。そして、離れた場所にいる人とも会話を楽しめる。これがオンライン飲み会の楽しさなのだろう。程なくして、参加者に惜しまれながら幕を下ろした。

 今度は県外や身近な友人とも杯を交わそう。口に残ったふくよかな日本酒の香りと新しい飲み会スタイルに期待を膨らませて、そっとパソコンの電源を切る。思いがけない満足感に浸り過ぎた記者は、神尾さんに質問の答えをもらっていないことに、この時はまだ気付いていなかった。

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 どうしても呑(の)みたい夜がある 中テレ制作のミニドラマで、昨年1~3月と8~9月に放送された。主役の神尾佑さんは、地酒と県産品を使った食事を提供するダイニングバーのマスターを演じる。客の思いに寄り添う役を通じ、本県の食と酒の魅力を伝える。