【TRY・北限富士山撮影(上)】川俣町から撮れるか!?富士山

 
撮影に向けて富士山周辺などの気象情報を調べる斎藤さん(左)と記者

 「一富士、二鷹(たか)、三茄子(なすび)」。初夢で見ることができなかった縁起物の一つ、富士山を308キロ離れた川俣町から写真に収めることが今回のトライだ。撮影する場所は川俣町と飯舘村にまたがる「花塚山(はなづかやま)」の頂上。富士山を望める北限の山で登山愛好家の夢に挑む。

 上司から指示を受けた感想は「川俣町から富士山?」。最初はぴんとこなかったが調べると、2009(平成21)年から12年にわたり、撮影に挑んでいる人が町内にいた。その人は斎藤金男さん(73)。

 斎藤さんは過去に数回、撮影に成功しており、より明瞭な写真を収めようと現在も挑戦し続けている。電話で同行を依頼すると、快く応じてくれた。早速、斎藤さんの自宅を訪ね、基礎知識を詰め込んだ。

 富士山を撮影するには天候に恵まれなければ非常に難しい。天気予報を気にする場所は3カ所。川俣町と県境の白河市、そして富士山周辺だ。最低でもこの3カ所が晴れていることが必要。そして、空気が澄んでいる真冬で無風の日に登頂し、撮影に臨む。

 「ベストな登山日を調整するので、いつでも登れる準備をしておいてください」。斎藤さんから言葉を受け、防寒着のほかに、登山靴がないので代わりにランニングシューズを用意し、連絡を待つことに。

 待機期間中、無料通信アプリLINE(ライン)でグループが結成された。その名も「富士山遠望隊」。斎藤さんのほか、撮影に挑んでいる町内の2人が加わった。会社員菅野和弘さん(62)と菅野邦夫さん(75)の2人だ。

 気象情報や登山日程などについて入念に情報共有し、撮影日程を決める。ラインでのコミュニケーションで気持ちが高ぶってきた。和弘さん「土曜日の天気が(最初の予報とは)変わって、天気が良さそうですがどうしましょう」。金男さん「登りましょう。民友新聞も同行します」。和弘さん「今度の支局長、物好きですね~(笑)」

 2人の仲の良さが分かるやり取りを見させてもらった。少々気になる所もあったが、どうやらアタックの日が決まったようだ。花塚山から望む富士山を頭の中にイメージし、期待と不安を胸に決戦の日を待った。

 花塚山 川俣町と飯舘村にまたがる標高918.5メートルの山で、両町村で最も標高が高い。山頂近くの「花塚台」からは吾妻連峰、安達太良連峰などを一望できる。頂上までは複数の登山ルートが整備されている。