【起き上がり小法師】 家内安全を祈る縁起物

 
手作業で作られた起き上がり小法師はそれぞれ表情が異なります

 「起き上がり小法師(こぼし)」は赤べこと並(なら)ぶ会津(あいづ)の伝統(でんとう)工芸品の一つで、古い歴史(れきし)があります。

 約400年ほど前、会津藩主(はんしゅ)蒲生氏郷(がもううじさと)が無役(むえき)の藩士(はんし)の収入源(しゅうにゅうげん)のために作らせ、正月に売り出したのが始まりとされ、現在(げんざい)も会津では正月の初市などで売られています。元気で、家族や財産(ざいさん)が増(ふ)えるよう願いを込(こ)めて、家族の人数よりも一つ多く買って家内安全を祈(いの)る縁起物(えんぎもの)です。

 木型(きがた)に和紙を3枚(まい)以上重ね、壁土(かべつち)の重りをつけた張(は)り子に、貝殻(かいがら)を粉(こな)にした胡粉(ごふん)、接着剤(せっちゃくざい)の役割(やくわり)の膠(にかわ)を混(ま)ぜたものを塗(ぬ)り、黒と赤の塗料(とりょう)を順に重ねて顔を描(か)いたら完成です。

 会津地方で唯一(ゆいいつ)、手作業で起き上がり小法師を作っている山田民芸工房(こうぼう)5代目の山田賢治(けんじ)さん(59)は「和紙の張り方で形が決まる。均等(きんとう)でなめらかな形にするために重要な工程(こうてい)です」と話しています。

 【どこで?】山田民芸工房(こうぼう) 会津若松(あいづわかまつ)市七日町12の35。営業(えいぎょう)時間は午前8時~午後6時。

みんゆうジュニア情報局