【聖光学院13連覇・つかんだ頂点(下)】重圧に勝った精神力武器

 
30日に練習を再開した聖光ナイン。「泥臭い野球」で甲子園に挑む

 「弱いがゆえの泥臭い野球を楽しんでいただきたい」。30日に聖光学院で開かれた優勝報告会。斎藤智也監督は全校生徒や教職員を前にチームの戦い方をそう表現し、甲子園での応援への協力を呼び掛けた。

 選手たち自身「力がないチーム」と口をそろえる。「史上最強打線」と評判が高かった昨年のような派手さはない。だが、福島大会で光った堅守や好機での勝負強さ、下馬評を覆して重圧に打ち勝った精神力は、独特な雰囲気などから「魔物がすむ」とされる甲子園では武器になる。

 開幕まで時間が差し迫る今、チームの急務となっているのは技術向上よりも体力の回復だ。選手の多くは福島大会中、精神的な消耗もあり、体重が数キロ落ちた。本県の暑さとは違った炎天下での試合に向け、食事やウエートトレーニングで体をつくり直す。

 ベンチ入りできる人数が18人に減る中、投手の人数を福島大会の5人から3人に絞った。斎藤監督は「自覚をさらに強く持ってほしい」と、福島大会でわずか4失点と好投を続けた投手陣にさらなる奮起を促す。

 一方、聖光学院にとってここ数年、ある種「鬼門」とも言えるのはドラフト上位指名が有力視される選手がいる相手だ。昨年は兵庫の報徳学園(小園海斗=現広島)、2017(平成29)年は広島の広陵(中村奨成=現広島)、15年は神奈川の東海大相模(小笠原慎之介=現中日、吉田凌=現オリックス)に敗れている。注目選手率いるチームにどう挑むかも見どころとなりそうだ。

 斎藤監督は優勝報告会のあいさつを、こう締めくくった。「数カ月でこれほど変わった聖光学院を私は見たことがない。こういう野球をやると、また面白いことが起こるかもしれない」

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