鳥居氏、福島5区出馬断念 衆院選、共産・熊谷氏で野党一本化

 

 衆院選(19日公示―31日投開票)で福島5区からの立候補を予定していた立憲民主新人の鳥居作弥氏(47)は9日、選挙区からの立候補を断念すると表明した。これにより、5区の野党候補は共産新人の熊谷智氏(41)での一本化が実現した。

 2区週明け決定へ

 一方、共産党も福島2区での擁立を決めていた新人平善彦氏(69)について、週明けにも立候補を取り下げる方針。野党候補が立民新人の馬場雄基氏(28)に一本化される見通しとなった。2区には自民現職の根本匠氏(70)、5区には自民現職の吉野正芳氏(73)が立候補を予定しており、1、3、4区も含め全選挙区で「自民」対「野党統一候補」による一騎打ちとなる。

 いわき市で開いた選対会議終了後、報道陣に出馬断念を表明した鳥居氏は、6日に立民の平野博文選対委員長と会い、全国の情勢について説明を受けたとし「全体の状況を勘案し、支援者と相談した上での決断」と強調。ただ「政策よりも一本化の話が先行していることに違和感を抱いて活動していた」とも述べた。

 野党統一候補となる熊谷氏は「正式な連絡は受けていない」としながらも、2016年の参院選で自身が立候補を断念し、野党統一候補が実現した経験を踏まえ「一本化が実現すれば有権者が選択しやすくなるだろう」と期待感を示した。

 鳥居氏について、立民福島5区総支部は比例東北で小選挙区との重複立候補者に次ぐ順位での名簿登載を求めていく。県連は9日、党本部に鳥居氏の総支部長取り消しを申請した。

 また立民、共産が新人の擁立を決めている2区について、立民の亀岡義尚県連幹事長は「馬場氏で粛々と進めていく」とする一方、共産の町田和史県委員長は「最終的には中央の判断だが、鳥居氏と立民の決断を重く受け止めて対応していく」として、平氏の立候補取り下げを示唆した。