【衆院選・激戦の先に】立民/福島県連「成功」共闘 光と影

 
衆院選の結果について報告した立民県連の県議団=2日午後、福島市

 「われわれの勝利は素晴らしいものだった」。2日、衆院選の総括に向けた会議を福島市で開いた立憲民主党県連。県議団会長の瓜生信一郎は冒頭、衆院選をこう評し、県議から拍手が湧き起こった。県内3小選挙区で勝利し、2区の新人が比例で復活当選を果たした。「野党共闘は成功した」と幹事長の亀岡義尚は満足そうに振り返った。

 各種選挙で協力してきた社民、国民民主党県連や連合福島などとつくる「5者協議会」の枠組みに加え、今回、5選挙区全てで共産党を加えた共闘が実現した。立民は1~4区に公認候補を擁立し全員当選。「特に有権者が多い都市部で浸透した」。現職の牙城だった大票田・郡山市を抱える2区で、新人が復活当選したことが「何よりの証し」と亀岡は言い切る。

 県内で野党共闘が奏功した一方、全国で立民は公示前議席を減らす敗北に終わり、代表の枝野幸男が辞意を表明した。亀岡は「党のオリジナリティーを常日頃から出さないと、今後の選挙での勝利は難しい」として共闘に頼らない党活動の重要性も強調した。

 県内は勝利に終わったが、「共闘が先行し保守層が自民に流れた」と言うように、郡部でリードを許し想定以上の接戦に持ち込まれた選挙区があるなど、今後に向け、もろ手を挙げて喜べる状況でないのも事実だ。亀岡は今回の衆院選で勇退し、政調会長の高橋秀樹に幹事長職を引き継ぐ。来年に控える参院選へ、高橋は「野党共闘が前提ではない。党として自力で勝てる候補者の選定を進める」と組織力強化を課題に据えつつ、選挙総括を踏まえた対応を講じるつもりだ。

 共産、参院選前向き

 5区に候補者を擁立して立民などと共闘態勢を取った共産。落選したが、得票率は37・3%と100人を超える全国の小選挙区候補の中で3番目に高かった。

 「共闘は成功した」。県委員長の町田和史も亀岡と同様に手応えを口にした。目標としていた比例東北での2議席獲得はかなわなかったが「(共闘は)デメリットを超えるメリットがある」とし、来年の参院選でも共闘を前向きに検討する考えを示した。(敬称略)