飯舘「村民の森」営業再開へ 5月、オートキャンプ場先行運営

飯舘村は東京電力福島第1原発事故の影響で休園していた複合観光施設「村民の森 あいの沢」について、5月の大型連休ごろに営業を再開すると明らかにした。まずは施設内のオートキャンプ場を先行して運営し、軌道に乗り次第、ほかの施設も再開する。村中心部を走る県道原町川俣線に隣接するという好立地の観光施設の利用を促し、交流人口の拡大や住民帰還の弾みにしたい考えだ。
再開方針は、3日の3月議会一般質問で花井茂議員の質問に高橋祐一副村長が答えた。「村民の森 あいの沢」は、ため池を中心とした約50ヘクタールの広大な自然の中に、キャンプ場や宿泊体験館「きこり」などを整備している。原発事故による全村避難の影響で、2017(平成29)年3月末の避難指示解除以降も安定した利用が見込めないことなどから、きこりの入浴施設を除いて休園としていた。
再開に向けては、昨年10月に村と村振興公社が「きこり・あいの沢利活用検討プロジェクトチーム」を設立し、協議を進めてきた。村によると、施設の再開を望む声が多いことや、除染で敷地内の線量が減少したことなどを理由に運営再開を決めたという。
4月から1カ月ほどは、オートキャンプ場をモニターに利用してもらい、改善点を洗い出した上で再開を目指す。
利用エリア拡大に向けては、5月以降に検討を進める。
村づくり推進課の担当者は「村民の森 あいの沢は震災前、村内外からの多くの利用者でにぎわっていた。村の貴重な交流拠点である施設を利用してもらい、村の活性化につなげていきたい」と話した。
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