飯舘のオートキャンプ場再開 「村民の森あいの沢」震災後初

 
キャンプの準備に取りかかる利用者ら。敷地内はキャンプ愛好者でにぎわった

 福島県飯舘村は23日、東京電力福島第1原発事故の影響で休園していた複合観光施設「村民の森 あいの沢」のオートキャンプ場を一部再開させた。当面の間はモニターに無償で利用してもらい、改善点を洗い出した上で、利用エリアを拡大するなど本格再開を目指す。施設の利用を通じて、交流人口の拡大や住民帰還の促進につなげる考えだ。

 利用できるキャンプ場は全部で15区画。車での乗り入れが可能で、炊事場やトイレ、シャワー(有料)が利用可能。キャンプ用品は各自持参する。キャンプ場の利用者にアンケートに答えてもらい、施設改善や本格再開の時期などについて検討する。初日は約10組のキャンプ愛好者が訪れた。利用者は緑に囲まれた場内にテントを張り、たき火や料理、寝泊まりをするなどしてキャンプを楽しんだ。

 友人と訪れた福島市の会社員菅野好則さん(33)は「震災前に利用したことがあったので、再開はうれしい。多くの人が村に足を運ぶことで、にぎわいにつながってほしい」と話した。

 村民の森あいの沢は、ため池を中心とした約50ヘクタールの広大な自然の中に、キャンプ場や宿泊体験館「きこり」などが整備された観光施設。原発事故による長期避難の影響で、2017(平成29)年3月末の避難指示解除以降も安定した利用が見込めないことなどから休園となっていた。きこりの入浴施設は再開していたが、本県沖を震源とする3月の地震で被害を受けたため、当面の間、利用を休止する。

 申し込みなどの問い合わせは村民の森あいの沢管理棟(電話0244・42・0511)へ。