田中建設 12年ぶり双葉で業務再開 社屋完成、いわき2拠点体制

 
地元での業務を再開した田中建設の双葉本社と木下社長

 双葉町の総合建設業「田中建設」が同町長塚に整備していた双葉本社が1日完成し、現地で開所式が行われた。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故後、11年7カ月ぶりに地元での業務を再開させた。

 同社は1903(明治36)年の創業以来、同町を拠点に地元に密着した業務を展開してきた。しかし震災後は町外への避難を余儀なくされ、いわき市に本社機能を移した。町内での業務再開に向け、7月から震災前と同じ場所に社屋の整備を進めてきた。

 いわき市の事務所はこれまで通り営業を続け、双葉本社との2拠点体制とする。双葉本社では工事の施工管理や請負業などを行い、震災後に構えた広野、南相馬の両出張所は閉鎖する。開所式では神事などが行われ、木下弘行社長(75)は「双葉での再開はとても感慨深い。ニーズに合わせながら地元の役に立っていきたい」と話した。