古里で双葉ダルマ市 双葉駅東口、23年1月に12年ぶり「帰還」

 
双葉町で行われた「巨大ダルマ引き」の様子=2011年1月

 双葉町の新春恒例行事「双葉町ダルマ市」は来年1月7、8の両日、同町のJR双葉駅東口で開かれる。東京電力福島第1原発事故後は避難先のいわき市で行われてきた伝統行事が、12年ぶりにふるさとに帰ってくる。

 ダルマ市は、約300年前の江戸時代から続く双葉町を代表する恒例の祭りだった。双葉駅前の長塚商店街通りが歩行者天国になり、縁起物「双葉ダルマ」を売る露店が軒を連ねた。「巨大ダルマ引き」では、町民らが二手に分かれてダルマを引き合い、1年の豊年満作や商売繁盛を占った。

 原発事故による全町避難で存続が危ぶまれたが、町民有志の会「夢ふたば人」が2012(平成24)年から、いわき市の仮設住宅や復興公営住宅で開催を続け、避難先の町民を勇気づけてきた。

 8月に一部地域で避難指示が解除されたことに伴い地元で開催される。震災前と同様に町商工会や町観光協会、町などでつくる実行委員会が主催する。双葉ダルマを販売する露店が並ぶほか、7日に巨大ダルマ引き、双葉南、双葉北両小児童らによる子どもたるみこし、8日はダルマみこしなどが繰り広げられる予定だ。

 実行委は「古里で12年ぶりの開催となるダルマ市に、多くの町民が集まることに期待したい」としている。