木の葉舟...海に願い託す 相馬で復興、鎮魂

 
復興の願いを込めた木の葉の舟を海に流す参列者=相馬市原釜

 復興や鎮魂の思いを込めた木の葉の舟を海に流す行事が11日、相馬市原釜で行われた。震災の遺族ら参列者が「福島が元気になりますように」「今を生きていることに感謝する」などと書いた約1万2千枚を海に浮かべた。

 福島、宮城、愛知、兵庫など県内外の小中学生からメッセージが寄せられ、参列者も木の葉の舟に願いを託した。相馬市の豊田幸一さん(68)は「安らかに成仏してほしい」と犠牲者を悼み、中村二小の菊地悠仁君(4年)は「世界の平和と安全な暮らしを願った」と話した。

 行事は児童書「じろはったん」を学校などに紹介する活動をしている、じろはったんと遊ぶ会の主催。物語の主人公が戦争で命を落とした親友宛ての手紙をタイサンボクの葉に縫って海に流す場面にちなんで2013年から行われている。

 代表の永野泉さん(68)は「木の葉の舟を流すことで震災を知らない子どもたちと震災をつないでいきたい」と語った。