大堀相馬焼...浪江での再開「やっと形」 陶芸家・近藤さん継承
伝統の継承を大堀で―。東京電力福島第1原発事故で浪江町大堀地区からいわき市四倉町に避難し、伝統の大堀相馬焼を継承している陶吉郎窯の陶芸家近藤学さん(69)らは29日、浪江町大堀地区で工房と店舗建設を前にした地鎮祭に臨んだ。工房と店舗は早ければ来年2月に完成する予定。古里での制作活動再開に向け一歩を踏み出した近藤さんは「やっと形になった。ここでやれることを楽しみに頑張りたい」と表情を引き締めた。
近藤さんは原発事故後、拠点をいわき市四倉町に移して制作活動を続けてきた。原発事故による帰還困難区域のうち、特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示解除の時期が見えてくると、大堀地区での制作や販売の再開に向け工房と店舗の再建を計画。「ゼロから大堀地区で伝統産業を立ち上げるという思いだった」と、強い覚悟で準備を進めてきた。地鎮祭では近藤さんらがくわ入れを行い、玉串をささげ、工事の安全を願った。近藤さんは「後継者育成などやることはたくさんある。一つ一つクリアして乗り越えていきたい」と意気込みを語った。
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