浪江復興の記憶、未来に残そう 二本松で県立博物館など討論会

 
浪江の記録の残し方などについて討論する(左から)西村、三原、原田の各氏

 県立博物館などでつくるライフミュージアムネットワーク実行委員会は11日、二本松市で公開討論会を開いた。東京電力福島第1原発事故に伴う全町避難からの復興に歩む浪江町の記憶をいかに残し、どう伝えて未来の創造につなげるかを考えた。

 実行委は、避難先の二本松市で開校した浪江、津島両小の教育活動「ふるさとなみえ科」を、震災記録として後世に残す取り組みを展開している。この取り組みを軸に討論が展開された。同館の川延安直副館長が進行を務めた。

 講師は、国文学研究資料館准教授の西村慎太郎、浪江小津島小を応援する会長の原田雄一、浪江町出身の歌人三原由起子の3氏が務めた。

 西村氏は10年間の避難生活を踏まえて「(避難生活が)浪江と二本松それぞれの歴史の中に入ることを認識してほしい」と述べ、三原氏は「避難した一人一人が証人となって体験を伝え、残さなければ、震災の記録が均一化され、美化される」と提起した。