東日本大震災の教訓を未来に オンラインフォーラムで意見交換

 
震災の経験などを語る木村さん

 仙台市などに事務所を置く「3・11メモリアルネットワーク」は23日、震災フォーラムをオンライン形式で開き、福島県などからの参加者が東日本大震災の教訓を胸に災害で命が失われない社会の実現を願った。

 「10年を節目にしない ここから始まる伝承のみらい」をテーマに、震災伝承に携わる団体や報道機関、大学などの関係者が参加。教訓の伝承、震災報道の在り方、伝承の担い手育成について、三つの分科会でそれぞれ意見を交わした。

 大熊町からいわき市に避難する木村紀夫さんは、震災で家族3人を亡くした経験から「津波が起きた時には、海沿いに戻ってはいけない。家族に津波の知識を教えていなかったことを、最も後悔している」と訴えた。

 大熊町の自宅跡は、除染で出た土壌などを保管する中間貯蔵施設の建設予定地となっている。木村さんは「大熊からいろいろなことを伝えたい。それがエリア内にある自分の土地を守ることになる」と話した。