「双葉復興のため頑張りたい」 富山から転職、町職員に

 
「双葉町の復興のために頑張りたい」と決意を語る宮津さん=いわき市・双葉町いわき事務所

 新年度がスタートした1日、各地で辞令交付式や入社式が行われ、新たに採用された職員や社員が決意新たに第一歩を踏み出した。このうち双葉町役場には、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの本県復興の一翼を担おうとする若い力が加わった。

 「一度きりの人生、双葉町の復興のために頑張りたい」。7年間務めた富山県の黒部市役所を辞め、1日に念願の双葉町職員となった宮津健(たけし)さん(29)は、固い決意を語る。

 原発事故で全町避難が続く町役場には全国から応援の職員が派遣されている。宮津さんもその一人として、2018(平成30)年4月から1年間、町役場で秘書広報業務を担った。

 派遣当初は双葉町のことを何も知らず、淡々と仕事をしていたというが、復興を目指して働く役場内の空気感、先頭に立つ伊沢史朗町長の熱意に魅せられていった。マイナスの状態から、新しいまちをつくる挑戦にやりがいを感じた。

 任期を終えて黒部市に戻ったが、その後も双葉町のことが気になった。「双葉は復興する。でもその時、そこに自分がいないと考えると寂しかった」。双葉のために汗を流すことを決意し、昨年秋に町の採用試験を受けて合格した。

 来年春ごろのさらなる避難指示解除を目指す町は、町民の帰還にとどまらず、移住者を積極的に呼び込むためのまちづくりを進めている。黒部市から双葉町の職員となり、町内に住むことを望む一人として「町民はもちろん、移住者にも寄り添える仕事をしたい」と使命感に燃える。