町民伝える双葉の歩み 伝承館で特集展、8月30日まで

 
震災前の双葉町を再現したジオラマを見る伊沢町長(右)ら

 東京電力福島第1原発事故による全町避難が続く双葉町の特集展「東日本大震災・原子力災害 双葉町の記憶と記録」は14日、東日本大震災・原子力災害伝承館(双葉町)で開幕した。避難を経験した町民の証言映像や震災直後の災害対策本部のメモ書き(レプリカ)などを紹介し、町の10年の歩みを発信している。8月30日まで。

 同館の主催、町の共催、筑波大の協力。被災自治体で唯一全町避難が続く町の実情を理解してもらうことで震災と原発事故の風化を防ぎ、復興に向けた町の思いを伝える。

 会場には証言映像などのほか、役場機能を置いた埼玉県の旧騎西高の看板、震災前の双葉町を再現したジオラマなどを展示する。

 期間中は町職員が常駐し、展示物や当時の状況などを"生の声"で説明する。町に関する映画の上映会も開く。

 この日はオープニングイベントも行われた。伊沢史朗町長や高村昇館長らがあいさつし、展示物を見て回った。

 伊沢町長は「多くの来館者に双葉の歩みを見てもらい、心にとどめてほしい」と来館を呼び掛けた。

 開館時間は午前9時~午後5時。火曜日休館。特集展観覧には入館料(大人600円、小・中学・高校生300円)が必要。問い合わせは同館(電話0240・23・4402)へ。