福島県内5小選挙区、戦い終盤 福島民友新聞社世論調査

 

 31日投開票の第49回衆院選で、福島民友新聞社は26~28日の3日間、読売新聞社と共同で世論調査を実施、調査結果に取材で得た情報を加味し、「自民」対「野党統一候補」による対決構図となった県内5小選挙区の終盤情勢を分析した。前回も一騎打ちだった1区は接戦が続く。2、5区は閣僚を経験した自民党候補がリードを守り、3、4区は立憲民主党候補が優位な状況を築いている。ただ各選挙区とも1割前後が態度を決めておらず、31日の投開票まで予断を許さない状況が続きそうだ。(敬称略)

1区 金子氏、亀岡氏接戦続く

 立民前職の金子恵美がやや先行し、自民前職の亀岡偉民が激しく追い上げる接戦が続いている。

 前回も県内唯一の野党統一候補だった金子は立民、共産支持層の9割超を固め、ほかの野党にも幅広く浸透。年代別でも40代以上で亀岡を上回っている。

 亀岡は自民支持層の8割超、公明支持層の6割強をまとめた。職業別では商工自営・自由業で優位に立ち、年代別では30代以下で金子を上回る支持を得る。

2区 根本氏安定、馬場氏迫る

 自民前職の根本匠が安定して支持を広げ、立民新人の馬場雄基が迫る展開となっている。

 根本は自民支持層の約9割、公明支持層の9割強を固めた。全ての職業で4割以上に浸透、商工自営・自由業、農林水産業では6割前後の支持を得ている。

 馬場は立民支持層の8割超をまとめ、共産支持層をほぼ固めた。無党派層からも5割強の支持がある。職業別では無職で根本を上回っている。

3区 玄葉氏優位、上杉氏猛追

 10選を目指す立民前職の玄葉光一郎がリードし、自民前職の上杉謙太郎が猛追している。

 玄葉は立民支持層の約9割、共産支持層の約7割をまとめ、他党支持層にも浸透。無党派層からの支持も6割強に及ぶ。年代別では50代以上で優位に立つ。

 上杉は自民支持層の約8割、公明支持層の7割強を固めた。職業別では農林水産業やサラリーマンで玄葉を上回り、年代別でも40代から支持を得ている。

4区 小熊氏勢い、追う菅家氏

 初の一騎打ちとなった4度目の対決は、立民前職の小熊慎司が激戦から抜け出す勢い。前回小選挙区を制した自民前職の菅家一郎が追っている。

 小熊は立民支持層の9割超、共産支持層の約9割を固め、無党派層でも5割超の支持を得る。職業、年代を問わず広く浸透している。

 菅家は自民支持層の約8割、公明支持層の約7割をまとめた。商工自営・自由業では優位に立ち、年代別では30代以下で競り合う。

5区 吉野氏、リードを譲らず

 自民前職の吉野正芳が優位を譲らず、共産新人の熊谷智が支持拡大を図っている。

 吉野は自民支持層の9割弱、公明支持層の8割弱をまとめた。サラリーマンや主婦の約6割から支持を受け、年代別でも全ての年代で優位に立っている。

 熊谷は共産支持層の9割強、立民支持層の7割強を固め、無党派層からの支持は約3割。農林水産業や商工自営・自由業では互角の戦いに持ち込んでいる。

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 調査の方法 調査は26~28日の3日間、県内の5小選挙区を対象に、コンピューターで無作為に作成した固定電話と携帯電話の番号を使い、調査員による調査と自動音声による調査を組み合わせて実施した。福島1~5区の合計で3035人から回答を得た。