「香取神社」住民が再建 浪江・末森へ「戻るきっかけに」

 
再建された浪江町末森地区の香取神社

 避難指示が3月に解除された浪江町末森地区の香取神社が再建された。神社再建委員会は1日、同神社で完成式を行い、地元住民らが完成を祝った。再建委員会副委員長で田尻区長の中西総一郎さん(67)は「地区のシンボルである神社に参拝することで住民が戻るきっかけとなり、少しずつでも住む人が増えてほしい」と話した。

 氏子や関係者約30人が出席。神事に続いて行った式では田村友正宮司(76)が「住民帰還が進まない厳しい状況だが、次の世代に引き継がれることを願う」とあいさつした。出席者にはお札が配られた。

 神社は東日本大震災で被災し、地元の末森区と田尻区役員が応急修繕して2021年に再建委員会を組織した。末森地区の避難指示解除を受けて今年6月に拝殿や本殿を改修したほか、手水舎や盆踊りやぐらなどを保管する倉庫などを新築し、倒壊した石灯籠も復旧した。

 年内には震災復興を祈念する再建記念碑も完成する予定。