魅力ある『福島県の味』贈ろう!郡山出身・大川さんらSNS発信

 
県産品の魅力をPRする大川さん

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から丸10年となる3月11日に合わせ、県内の高校生や大学生ら500人に県産品を贈るプロジェクトが始動した。手掛けるのは、震災当時、小学生だった本県出身の大学生ら。会員制交流サイト(SNS)を駆使し、全国そして世界に福島の今を発信する。

 プロジェクトを企画したのは、郡山市出身で中央大4年の大川翔(かける)さん(22)。「未来を担う県内の学生に福島の食の魅力に気付いてもらい、発信してもらう」ことを目的とする。クラウドファンディングで集めた資金で県産品を贈呈。受け取った生徒、学生たちには、「♯福島から広めよう」をキーワードに、SNSで一斉に福島の魅力を発信してもらう。

 大川さんは2017(平成29)年、大学進学を機に上京、「県外の人の『福島といったら震災や原発』というマイナスイメージが消えていないことに衝撃を受けた」という。福島を離れて初めて「外から見た福島」を意識するようになった。

 大学2年生時にNPO法人「きたまる」を設立。首都圏の学生らを大玉村や天栄村に連れてきて、農業や地元の祭りを体験してもらうスタディーツアーなどを行ってきた。しかし、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で活動が制限された。大川さんは、コロナ禍でも取り組める復興支援活動を模索、今回のプロジェクトを思い立った。

 メンバーはSNSで募集して集まった県内出身の学生ら15人。まだ会ったことがないメンバーもいるが、「福島を盛り上げたい」という共通の思いを胸に、オンラインでつながり、準備を進めている。「福島の未来を創ろうとしている若者の姿を見てほしい」。大川さんは、力強く語った。

15日まで支援募る クラウドファンディングの目標額は350万円で、15日まで募っている。支援者には県産品などの返礼品を贈る。県産品の受け取りを希望する県内の高校生や大学生も募集する。期間は2月1~同15日。詳細はQRコードからか、「♯福島から広めよう」で検索する。