未来に進む「知恵」託す 学生らがオードリー・タンさんと対談

 

 東日本大震災から10年となるのに合わせ、台湾のデジタル担当相を務める唐鳳(オードリー・タン)さん(39)と県内の学生らが福島の未来について語り合うイベントが22日、オンラインで開かれた。

 唐さんは、課題を抱える本県が未来に進むために必要な知恵について、学生らに分かりやすく語り掛けた。対談の様子は3月11日、動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信される。

 県内の中高生や大学生ら約80人が参加したほか、本県の若者の今を知りたいと台湾の学生8人が参加した。「原発事故やコロナ禍で、なぜ中傷が発生しているのか」という参加者の質問に対し、唐さんは「人は知らないことに拒絶反応を示す。それが中傷やいじめにつながってしまう」と答えた。解決策については「周りの人と情報を共有し、発信することが大切。また学校やそのほかの活動を通して、自分を好きになることも重要だ」と語り掛けた。

 イベントを主催する実行委員の宮尾慶信さん(20)=福島大経済経営学類3年=は「福島の課題や自分たちの悩みを前向きに考える姿勢を学んだ。今後、福島に住む人間として、多くの人に福島の現状や良さを発信していきたい」と話した。

 イベントに参加した白河旭高2年の遠藤友哉さん(17)は「貴重な経験になった。多くの人と考えを共有することで自分の考えを見つめ直す場にもなった」と振り返った。

 イベントは福島大生らでつくる「唐鳳meets福島futures」実行委員会が主催した。